SNSストーカー
☆☆☆

気がついたとき、あたしは家のリビングに寝かされていた。


最初に見えたのは裕也の顔だった。


「夏美、大丈夫か?」


聞かれてうなづき、そしてなにがあったのかおぼろげながら思い出して上半身を起こした。


家の中には見知らぬ警察官と、心と彩の姿もあった。


「夏美!」


心が泣きながら駆け寄ってくる。


「心……」


「もう、無茶なことしないでよ」


「彩……。2人ともケガは?」


「あたしたちはたいしたことないよ。裕也も大丈夫だから」


彩の言葉にホッと胸を撫で下ろした。


みんな無事だったみたいだ。


そして、男の顔を思い出した。


こけた頬。


無精ひげ。


ボサボサの頭。


その容姿が頭に浮かんできただけで強い吐き気を感じた。
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