SNSストーカー
何通ものメールが一気に届くなんて、電波状況が悪かったのかな?


そう思ってメールを開いたとき、一瞬にして血の気が引いていった。


《夏美ちゃん、今日相手してくれる?》


《1回1万って格安だね。今夜どう?》


《夏美ちゃんの家発見! 2人同時ってありですか?》


知らないアドレスから次々に送られてくるメールにあたしは目を見開いた。


「なんだよこれ……」


裕也も愕然としている。


こんなメールが来るなんて、どこかであたしのメールアドレスが流出しているとしか思えない。


全身が冷たくなり、呼吸が浅くなってくる。


メマイがして座っていることも困難だ。


と、そのときだった。


不意に外から男の笑い声が聞こえてきたかと思うと、階下から何かが割れる音が響いたのだ。


「キャア!?」


咄嗟に身を縮めてドアへ視線を向ける。


笑い声と一緒に誰かが走り去っていく足音が遠ざかっていく。


「くそっ!」


裕也が舌打ちをして部屋を駆け出した。


あたしはその後に続く。
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