SNSストーカー
しばらく男の後ろ姿を見守っていたなっちゃんは、すぐに家の中に戻って行った。


俺はそっと電信柱の影から出てなっちゃんの家に近づいた。


今家にはなっちゃんしかいない。


その上、リビングの窓ガラスが割れている状態だ。


こんなチャンスは二度とこないだろう。


絶対に逃せなかった。


俺はそっと家の庭に回りこむと、リビングの窓から室内へと入り込んだ。


その瞬間、リビングに戻ってきていたなっちゃんと視線がぶつかった。


「やぁ、なっちゃん」


怖がらせないように気をつけて笑顔を向ける。


しかし、元々青かったなっちゃんの顔は俺を見るなり更に青ざめていく。


「どうしたのなっちゃん。俺だよ。会いたかったんだろう?」


近づいた分だけなっちゃんは後ずさりをする。


「な、なんで……」


なっちゃんの声はひどく小さくて、俺に会えて嬉しすぎて声もでないのだとわかった。


そこまで俺のことを思ってくれているなんて、すごく光栄だ。


目の前にいるなっちゃんが可愛くて仕方ない。
< 122 / 141 >

この作品をシェア

pagetop