SNSストーカー
小学校5年生の頃。


その頃からすでに俺は少し浮いた存在だったらしい。


母親がいなくて毎日お風呂に入るという習慣もなく、父親はすでに飲んだくれていたからだろう。


俺のことを不潔だばい菌だと呼ぶ生徒は多かった。


近づくとわざとらくし鼻をつまみ、逃げ出す生徒もいる。


実際に、臭っていたのかもしれない。


制服のない小学校で、俺は一ヶ月くらい毎日同じ服を着ていたから。


服を洗濯するということは知っていたけれど、俺の家の洗濯機はちゃんと稼動するのかどうかもわからなかった。


幼少期に母親が出て行ってから、数えるほどしか使ったことがなかったからだ。


俺がエンピツを落とすと誰かがわざと踏みつけて折る。


時間割が変わっても俺には教えてもらえずに、1人で誰もいない教室に残っていたこともある。


それが俺の日常だった。


今更悲しいとも思わない。


ただ、平坦に1日が過ぎていけばそれでよかった。
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