SNSストーカー
彼女は嬉しそうに箱を受け取る。


やっぱり、女の子だからキラキラとしたものが好きみたいだ。


俺もそういうものを用意できたらよかったのにな。


『それよりさ、まだ持ってるんでしょう? アイツからもらったエンピツ』


その言葉に俺は息を飲んで咄嗟に壁に身を寄せて隠れていた。


『あ、そうだった』


彼女は思い出したように立ち止まり、カバンからエンピツを取り出した。


それにはリボンがかけられていて、どう見ても俺がプレゼントしたものだった。


彼女はそれを廊下に設置してあるゴミ箱に捨てたのだ。


『カバンの中も消毒したほうがいいよ。汚いから』


『わかってる』


『よっちゃんって、どうしてあいつに優しくしてるの? 嫌いなんでしょう?』


『だって、先生に仲良くしてあげてねって言われたんだもん。教室内だけでも、それっぽくしておいたほうがいいでしょう?』


彼女は苦笑いを浮かべている。


聞き耳を立てている俺は徐々に鼓動が早くなり、嫌な汗が流れていくのを感じていた。


これが彼女の本性か?


本当は俺のことを見て笑っていたのか?


いや、そんなことあるはずない。


だって彼女は俺のことが好きなはずだから……!!
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