SNSストーカー
☆☆☆

数日後、俺は一人で昇降口に向かう彼女を見つけて、後ろから声をかけていた。


今度は邪魔も入らなかった。


『あ、あのさ』


俺の声に振り向いた彼女は一瞬顔をしかめた。


しかし、すぐに笑顔になる。


『どうしたの?』


首をかしげて聞いてくるその姿はすごく可愛くて、やっぱり俺は彼女のことが好きだと感じた。


だから独占したかった。


俺だけの彼女にしたかった。


他の汚い連中に感化されることのない彼女でいてほしかった。


『今日の夜、みんなと肝試しをするんだけど、一緒にどう?』


『肝試し?』


『うん。学校に集合なんだ』


『そんな話、聞いてないけど』


『君は怖がりだから、呼ぶのをやめようってことになったんだ。でもそれって仲間はずれだろう? そういうの、よくないと思ったんだ』


俺の言葉に彼女は眉間にシワを寄せた。


俺の言葉が本当かどうか、考えているみたいだ。
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