SNSストーカー
☆☆☆

ずぶ濡れのまま教室へ戻ると、入り口近くの女子生徒が悲鳴を上げて俺から逃げた。


他のクラスメートたちも逃げたり、俺を見て指差したりしている。


その中で3人の男子たちだけはなんの反応もなく、だらしなく椅子に座って俺を見ていた。


さっき俺に水をぶちまけたのはこの3人組だ。


この3人はことあるごとに俺にちょっかいを出してきて遊んでいる。


俺は無言のまま自分の席へと向かった。


早く着替えたいという気持ちもあったけれど、後は終わりのホームルームだけて帰ることができる。


着替えはその後でいい。


とにかく、今はとても気分がよかった。


あのなっちゃんが俺のことを好きだと言ってくれたのだ。


これ以上の幸せなきっとこの世に存在してないだろう。


もう、元アイドルの愛ちゃんのことなんてどうでもよくなっていた。


そしてふわふわと浮くような感覚で自分の机の前まで移動すると、ゴミが散乱しているのが見えた。


「順くぅん! こんなに汚しちゃダメだろう?」


俺がゴミを見た瞬間3人組みの1人ふぁガタンッと音を立てて椅子から立ち上がった。


そのまま近づいてくる。
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