SNSストーカー
俺は気にせず自分の席に座った。


足元にばら撒かれたゴミを踏んでクシャクシャと音がなる。


「おい、聞いてんかよ!?」


わざわざ低い声ですごんでくるので、俺は彼から視線をそらせた。


俺は元々釣り目で目つきが悪く、人付き合いが苦手で無口だった。


それが原因でこいつに目をつけられたのだ。


彼を見るだけで『睨んでんじゃねぇよ!』と文句をつけられて暴行を受けたことも何度もある。


だから、俺はすぐに目をそらす。


「人が話しかけてんだからこっち向けよ!」


ガンッ! と強く机を蹴られて、また教室内に悲鳴が聞こえた。


下等な女子生徒たちがいちいち勘に触る声を上げている。


俺の中ではなっちゃん以外の女の悲鳴なんて、雑音にしか聞こえない。


耳障りな声に苛立ち、一瞬顔をしかめてしまった。


それを彼が見逃すはずがない。


「なに睨んでんだよ!?」


「違う!」


咄嗟に声を上げていたけれど、そんなものは彼には通じない。


自分が睨まれたと思った彼は容赦なく俺の頬を殴った。


その勢いで椅子から転げ落ちてしまう。


一瞬目の前が真っ白になった後、徐々に痛みが襲ってきて顔をしかめた。


下等な女子たちのせいで、どうして俺がこんな目にあわないといけないのか。


そう思ったとき、チャイムが鳴りはじめてホームルームがはじまったのだった。
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