SNSストーカー
☆☆☆

翌日は土曜日で学校が休みの日だった。


朝のんびりと眠っていると、8時前に部屋のドアをノックされた。


寝ぼけ眼で返事をしてベッドから起き上がると、入ってきたのはお母さんだ。


「夏美、今日は3人で遊園地に行かない?」


突然の誘いにあたしはびっくりして目が覚めてしまった。


「え、なんで急に遊園地?」


「昨日のお礼。夏美があそこまでしてくれるとは思わなかったから」


「でも、お店が……」


そこまで言って言葉を切った。


時刻はすでに8時前。


普段なら材料を市場まで仕入れに行くため、両親はすでに出勤している時間になる。


「どうしてまだ家にいるの!?」


2度驚いて今度こそ目がさめた。


お母さんはそんなたしを見て笑い声をあげ、「今日は臨時休業よ。お休みの日はだいたいいつもお店があって、遊びに行けてないもんね」と、言ってくれた。


確かに。


家族3人で遊園地に行ったのなんて、幼稚園ぶりかもしれない。


2人はあたしのためにお店を休んでくれたんだ。


そう思うと途端にこみ上げてくるものがあって、あたしはお母さんに抱きついていた。
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