SNSストーカー
クラスメートたちにとって俺はその分異質な存在になった。


わけがわからないヤツ。


なんだか怖い人。


そんな風に思われ始めた。


けれどどうしようもない。


俺の世界はあまりにも狭すぎた。


誰かに助けを求めることなど同定できない。


片づけを手伝いにきた先生を追い返してしまった父親のことを考えると、俺はなにもできなくなった。


おれはベッドの上に散乱している参考書を手でどかして、その上に胡坐をかいてすわり、菓子パンを開けた。


今は自分が高校生になって週に2日から3日間バイトに出ているから自分の食いぶちくらいはどうにかなっている。


しかし、中学生までは食べたり食べられなかったりを繰り返すことも少なくなかった。


父親が稼いでいるお金はもれなくお酒に消えていってしまうからだ。


何度か酒をやめるように伝えたこともあったけれど、昔の漫画にありがちなセリフを吐かれそして想像通り殴られた。


その時俺は冷静にこういう場面においてのマニュアルが存在しているのではないかと、真剣に考えてしまったくらいだ。


そのくらい、俺の家は絵に描いたようなクズっぷりだった。
< 43 / 141 >

この作品をシェア

pagetop