SNSストーカー
手作りケーキについていろいろと質問してきたときから、あたしはこのジュンという人のことを女の子だと思っている。


「へぇ、イケメン?」


心が興味津々でスマホを覗き込んでくる。


「女の子だと思うんだけどね。ハンドルネームがジュンだから、どっちかわかんないの」


「ジュンって、もしかして柳純くんだったりして!」


心が勝手に妄想をして喜んでいる。


そりゃ、あたしだってこのコメントが柳純くんだった嬉しいけど、芸能人が安易に人のインツタにコメントを残すとは思えなかった。


「知らないヤツとやりとりして怖くないのかよ」


そんな声がして振り向くと、いつの間にか裕也が立っていた。


裕也はインツタにハマっているあたしたちを見て、いつでも呆れ顔をしている。


「インツタの中だけだから大丈夫だよ」


返事をしながら、あたしは裕也にもお土産を渡した。


裕也にはキャラクターストラップを選んだ。


どれも無難なお土産になったと思う。


「休日の行動とか、バレバレだぞ」


まだインツタについて文句を言いながらも、裕也はさっそくストラップをズボンのベルトに装着した。


歩くたびにプラプラとゆれている。


「ちょっと、なんでそんなところにつけるのよ」


あたしは思わず笑い出し、突っ込んでしまった。


裕也も楽しそうに笑っている。


「冗談だよ。ちゃんとカバンにつけさせてもらうから」


本当に、お調子者なんだから。
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