SNSストーカー
☆☆☆

その日の帰り道、途中まで3人で返っていたあたしは分かれ道を過ぎて1人になっていた。


もう通いなれた道。


いつもの風景が広がっている。


左手には大きな道路。


右手にはお店や民家、アパートが立ち並んでいる。


この通りを途中で右折すれば住宅街が広がっていて、その一角にあたしの家はあった。


路地へ曲がる道まで来たとき、ポケットの中のスマホが震えた。


確認してみるとこの時間には珍しく母親からの着信だった。


『夏美、もう学校終わったの?』


「うん。もうすぐ家につくよ。どうしたの?」


『実は長野のおばあちゃんの様態があまりよくないらしいの』


「え?」


長野県に暮らしているのは父方の祖母だった。


まだ祖母も祖父も元気で毎年農作業をしていたはずだ。


「それってどういうこと?」


『3日前に倒れたんだって。大丈夫だろうと思って、うちには連絡してこなかったらしいのよ』


お母さんの声は困り果て、そして焦っている。


嘘じゃないみたいだ。
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