SNSストーカー
☆☆☆

それから裕也が到着するまで、あたしは電気もつけずに息を殺していた。


いつまたあの男が戻ってくるかわからない。


そう思うと怖くてトイレにも行けなかった。


そして裕也から玄関前まで来たと連絡が来たとき、大慌てで外へ駆け出していた。


目の前にいる裕也にそのままの勢いで抱きついてしまった。


「おい、大丈夫か?」


裕也はとまどいながらあたしの体を抱きとめた。


「大丈夫……だと思う」


ハッキリと返事はできなかった。


今のところなにも危害はないけれど、恐怖はしっかりと植えつけられていた。


「とにかく家に入れてくれないか。話はゆっくり聞くから」


「うん」


あたしはうなづいて、裕也を家にあげたのだった。
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