SNSストーカー
予想外の言葉にあたしは瞬きをして裕也を見た。


確かにここへ呼んだのはあたしだけれど、まさか泊まって行くことになるなんて思ってもいなかった。


「当然だろ? もう夜遅いんだし、1人でいさせるわけにはいかないだろ」


そんなカッコイイことを言われたら、なんだか胸の奥がキュンッとしてしまう。


慌てて左右に首を振って裕也にときめくなんてありえないからと、自分をしっかりと保つことにする。


状況が状況だから、ついかっこよく見えてしまうんだ。


「そ、それならなにか食べる? あ、ご飯は食べてきた?」


慌ててしまって早口になる。


冷静になろうとしても、なかなか難しかった。


「まだ食べてないんだ。なにかあるのか?」


「カレーならあるよ」


「これ、夏美が作ったのか?」


鍋の中を覗き込んで裕也が聞いてくる。


「うん。カレーは簡単だからね」


「でもすげーじゃん! ちゃんと定食やの娘やってんだなぁ」


妙なとことに関心する裕也につい、笑顔がこぼれた。


さっきまで感じていた恐怖心も少しだけ消えている。


「準備するから、座って待ってて」


あたしはそう言うと、鼻歌交じりにカレーを温め始めたのだった。
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