SNSストーカー
「嘘だろ……」


裕也も愕然としている。


写真を拡大してみると、鏡の中に窓の外の景色が写りこんでいることがわかった。


その電信柱には、住所を特定できる番号の記載もある。


それを見つけた瞬間、全身から力が抜けていくような感覚がした。


「なんとしてでも相手の居場所を特定したい相手は、こういうものも見落とさないんだ」


裕也はそう言って悔しそうに歯をかみ締めた。


さっきから背中に寒気を感じて震えはますます強くなっている。


こんな恐怖にさいなまれたこと、今まで一度もない。


ジュンという男はどうしてかあたしに執着して、家まで突き止めてしまった。


「今日は学校を休もう。俺も一緒にここにいるから、大丈夫だから」


裕也の言葉に、あたしは力なくうなづくばかりだった。
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