SNSストーカー
「え……」


あたしは唖然として裕也を見つめた。


そんなことがあるだろうか。


純なんて名前いくらでもあるし、どこの誰のことかなんて書いていない。


あ……。


そう、あたしは柳純くんのことだとも、ジュンのことだとも書かなかった。


だからこそ、相手を勘違いさせたんだ。


気がついて、サッと血の気が引いていく。


「どうしよう、あたしとんでもないことをしちゃったのかもしれない」


相手が思い込みの激しい性格であることには違いない。


だけど、そのスイッチを押してしまったのは自分自身なのだ。


全身が冷たくなって立っていられなくなったとき、裕也があたしの体を支えてくれた。


「少し休憩したほうがいい」


そう言われても、ろくに返事もできなかったのだった。
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