SNSストーカー
☆☆☆

あたしを部屋に運んでくれた裕也は、言葉通りずっとそばにいてくれた。


いつあの男が来るかわからない恐怖はあったものの、少し眠ることもできた。


「大丈夫か?」


ベッドの下で膝を立てて漫画を読んでいた裕也が顔を向ける。


「うん。少し落ち着いてきた」


窓の外はすでにオレンジ色に染まってきている。


「裕也、そろそろ帰らなきゃ」


学校はすでに終わっている頃だ。


さすがにずっと家に帰らないと両親が心配してしまう。


「俺は平気。ちゃんと親に連絡したから」


「でも……」


これ以上迷惑はかけらないという気持ちと、もっと一緒にいてほしいという気持ちがない交ぜになっている。


そんな気持ちに感づいたのか、裕也は優しく微笑んであたしの頭をなでた。
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