SNSストーカー
「俺のことは気にしなくていいから。自分の心配だけしてろ」


「うん……」


もう少し甘えてもいいんだろうか。


そう思って視線をテーブルへ移すと、自分のスマホが見えた。


今日は怖くてあまりスマホを確認できていない。


両親からの連絡があったかどうかだけ確認するために、手を伸ばした。


するとそのタイミングで電話が鳴り始めて、驚いてスマホを落としてしまいそうになった。


「誰からだ?」


「心だ」


着信相手を確認してホッと胸を撫で下ろす。


今日学校を休んだから、心配して電話をかけてきてくれたみたいだ。


「もしもし?」


『あ、夏美? 体調大丈夫?』


いつもの元気な心の声が聞こえてきて、なんだか和んでしまう。


「うん、大丈夫だよ。心配かけてごめんね」


『それならいいんだけどね、今日は裕也まで休んでて風邪流行ってるのかなと思ってさぁ』


「あ、裕也なら一緒にいるよ。電話代わろうか?」


『え? なんで裕也が一緒にいるの?』


聞かれてハッと息を飲んだ。


まずい、裕也がここにいることは誰にも知らせていないんだった。
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