綾取る僕ら
バスケの日
水曜日は、夜18時から近くの小学校の体育館を借りてバスケをする。
本格的ってわけでもないのに、バスケをしてなかった人には全く興味のない時間らしく、本当に好きな人しか集まらない。
小学校の頃から高校までバスケしてきた私と悠人、麻莉乃さんは常連だった。
今日は珍しく野球少年だった仁さんも参加してる。
「仁、下手くそー」
麻莉乃さんの楽しそうな声が体育館に響く。
仁さんが放ったボールはゴールに触れることもなく、手前で大きな音を立ててバウンドした。
センスのない自分に大笑いしながらその場にしゃがみ込む。
「綾香」
悠人の声でハッとする。
「見過ぎだよ」
悠人の手から強く叩きつけられるように一度バウンドして私の手元にボールが届く。
痛い。
「うん」
自分でも、何が「うん」なんだろう、と思いながら返事する。
だって見過ぎなのは事実だから。
「いや、なんだかんだ仲良いなと思って。なんだかんだ仲良いよね、あの二人」
つい嫌な笑い方をしてしまう。
鼻で笑うような。
今日、このバスケにわざわざ来たのって麻莉乃さんのためかな。
遊びたいって、「遊び」って、直接そう言われてるし。
本格的ってわけでもないのに、バスケをしてなかった人には全く興味のない時間らしく、本当に好きな人しか集まらない。
小学校の頃から高校までバスケしてきた私と悠人、麻莉乃さんは常連だった。
今日は珍しく野球少年だった仁さんも参加してる。
「仁、下手くそー」
麻莉乃さんの楽しそうな声が体育館に響く。
仁さんが放ったボールはゴールに触れることもなく、手前で大きな音を立ててバウンドした。
センスのない自分に大笑いしながらその場にしゃがみ込む。
「綾香」
悠人の声でハッとする。
「見過ぎだよ」
悠人の手から強く叩きつけられるように一度バウンドして私の手元にボールが届く。
痛い。
「うん」
自分でも、何が「うん」なんだろう、と思いながら返事する。
だって見過ぎなのは事実だから。
「いや、なんだかんだ仲良いなと思って。なんだかんだ仲良いよね、あの二人」
つい嫌な笑い方をしてしまう。
鼻で笑うような。
今日、このバスケにわざわざ来たのって麻莉乃さんのためかな。
遊びたいって、「遊び」って、直接そう言われてるし。