綾取る僕ら
国道沿いのファミレス前にみんなで集まってる。
夕ご飯を食べ終わって解散なんだけど、みんなここでダラダラするのが好きだからスッパリ解散とはならない。
ふと、輪の斜め向こうにいる仁さんと目が合った。
なぜか向こうは目を逸らすことなく自然と私を見ている。だからつい、私も対抗するようにその視線を打ち返す。
今日はどうせ麻莉乃デーってことは分かってる。
麻莉乃さんがいる時は、麻莉乃デー。
麻莉乃さんが居酒屋のバイトの日だけ、綾香デー。
でもなんで、麻莉乃さんがいるのに今私と視線を合わせてるの?
力なくポケットに手を突っ込んだまま、私を見下ろす。
笑ってるでもなく、無表情ってわけでもなく。
何秒なんだろう。
麻莉乃さんが仁さんの隣に着くと、仁さんは自然に隣の麻莉乃さんを見た。
終わった。
「駅方面の人は送ってくよー」という龍平さんの声で、やっと場が終わりを迎える。
私は近いから歩いて行く人間だ。
ふとここで気付いてしまった。
いつもは悠人と歩いて帰るのが常だった、ということに。
今日はどうしよう。
そんなことを考えていると、いつもの調子で「綾香」と名前を呼ばれた。
夕ご飯を食べ終わって解散なんだけど、みんなここでダラダラするのが好きだからスッパリ解散とはならない。
ふと、輪の斜め向こうにいる仁さんと目が合った。
なぜか向こうは目を逸らすことなく自然と私を見ている。だからつい、私も対抗するようにその視線を打ち返す。
今日はどうせ麻莉乃デーってことは分かってる。
麻莉乃さんがいる時は、麻莉乃デー。
麻莉乃さんが居酒屋のバイトの日だけ、綾香デー。
でもなんで、麻莉乃さんがいるのに今私と視線を合わせてるの?
力なくポケットに手を突っ込んだまま、私を見下ろす。
笑ってるでもなく、無表情ってわけでもなく。
何秒なんだろう。
麻莉乃さんが仁さんの隣に着くと、仁さんは自然に隣の麻莉乃さんを見た。
終わった。
「駅方面の人は送ってくよー」という龍平さんの声で、やっと場が終わりを迎える。
私は近いから歩いて行く人間だ。
ふとここで気付いてしまった。
いつもは悠人と歩いて帰るのが常だった、ということに。
今日はどうしよう。
そんなことを考えていると、いつもの調子で「綾香」と名前を呼ばれた。