綾取る僕ら
振り返るといつもの表情で悠人がそこに立っている。
「帰るんでしょ」
そういう言葉に私は頷いた。
じゃあ送ってくよ、という感じで隣に来る。
そしてこういうタイミングで仁さんと目が合う。
少しだけ口元が笑ってる。
「じゃあ帰りまーす、お疲れ様でした」
仁さんが声を張って手を挙げると、颯爽と隣に麻莉乃さんを連れて二人歩道に消えていく。
慣れ親しんだ二人の姿。
少しずつ遠くなって行く背中。
「じゃあ俺も綾香送っていきます」
悠人も毎度決まってそう言う。
私もそう言われることに慣れ切っていた。
私たちは二人で駐車場を横切って国道に出た。
ファミレスから数十メートル離れれば真っ暗になる道。
ただ家が近い、同期、女の子一人じゃ危険、というだけで悠人はいつも義務のように送り続けてくれてる。
またこの後の帰り道も悠人の説教が続くんだろうか。
ふと車道側を歩く悠人と目が合った。
「謝らないからね」
一見薄情とすら感じる調子で言う。
「悠人って頑固だよね」
車すらほとんど通らない真っ暗な道をひたすら歩き続ける。
そう言っても20分あれば着く距離。
「帰るんでしょ」
そういう言葉に私は頷いた。
じゃあ送ってくよ、という感じで隣に来る。
そしてこういうタイミングで仁さんと目が合う。
少しだけ口元が笑ってる。
「じゃあ帰りまーす、お疲れ様でした」
仁さんが声を張って手を挙げると、颯爽と隣に麻莉乃さんを連れて二人歩道に消えていく。
慣れ親しんだ二人の姿。
少しずつ遠くなって行く背中。
「じゃあ俺も綾香送っていきます」
悠人も毎度決まってそう言う。
私もそう言われることに慣れ切っていた。
私たちは二人で駐車場を横切って国道に出た。
ファミレスから数十メートル離れれば真っ暗になる道。
ただ家が近い、同期、女の子一人じゃ危険、というだけで悠人はいつも義務のように送り続けてくれてる。
またこの後の帰り道も悠人の説教が続くんだろうか。
ふと車道側を歩く悠人と目が合った。
「謝らないからね」
一見薄情とすら感じる調子で言う。
「悠人って頑固だよね」
車すらほとんど通らない真っ暗な道をひたすら歩き続ける。
そう言っても20分あれば着く距離。