綾取る僕ら
飲み会
「仁は全然私のこと見てない!」
そんな麻梨乃さんの大声が響き渡ったのは、飲み会の半ば、場がグダグダになっていた時だった。
私が声の方に視線を向けると、部屋の隅に、座り込む麻梨乃さんと、手を引こうとする仁さんの姿があった。
場が静まり返る。
私と一緒に飲んでたゴンさんと龍平さんは目配せをしてる。
やっぱりな、って感じ。
ふらつく足取りで麻梨乃さんが部屋を出ていくと、追いかけるように仁さんも出ていった。
バタンッとドアが閉まる重い音が響いた。
みんな我慢していたのかやっと声を漏らす。
「やっばいな」
「喧嘩だね」
「仁の浮気かな」
他人事のように盛り上がる声。
みんな心の底ではきっと楽しんでいる。
ギュッと押しつぶされたように胸が苦しい。
食道と喉の間がおえっとなりかける。
そんなに飲んでないのに。
「ごめんなさい」とゴンさんと龍平さんに視線を向ける。
「私明日に備えてそろそろ部屋戻りまーす」
私がそう言うと、「おーそうか」「明日なー」と軽く返してくれた。
同じ部屋の穂乃果から鍵を預かって一人部屋を出る。
そんな麻梨乃さんの大声が響き渡ったのは、飲み会の半ば、場がグダグダになっていた時だった。
私が声の方に視線を向けると、部屋の隅に、座り込む麻梨乃さんと、手を引こうとする仁さんの姿があった。
場が静まり返る。
私と一緒に飲んでたゴンさんと龍平さんは目配せをしてる。
やっぱりな、って感じ。
ふらつく足取りで麻梨乃さんが部屋を出ていくと、追いかけるように仁さんも出ていった。
バタンッとドアが閉まる重い音が響いた。
みんな我慢していたのかやっと声を漏らす。
「やっばいな」
「喧嘩だね」
「仁の浮気かな」
他人事のように盛り上がる声。
みんな心の底ではきっと楽しんでいる。
ギュッと押しつぶされたように胸が苦しい。
食道と喉の間がおえっとなりかける。
そんなに飲んでないのに。
「ごめんなさい」とゴンさんと龍平さんに視線を向ける。
「私明日に備えてそろそろ部屋戻りまーす」
私がそう言うと、「おーそうか」「明日なー」と軽く返してくれた。
同じ部屋の穂乃果から鍵を預かって一人部屋を出る。