◇君恋◇



でも、



「キャー!」



やっぱり大丈夫じゃなかった。

しかも私ったら龍也に抱きついてる。

離したいけど体が震えてなかなか動かない。



「積極的だな?」

「ちっ違う!怖くて体が動かないの!」



私は龍也に抱きついたままそう言った。

どれほど恥ずかしいことだろう。



「怖くなくしてやるよ」

「へ?」



龍也は私のあごを掴んで持ち上げだ。

不意に龍也の唇が私の唇と重なる。



「嫌っ、こんなとこで」

「大丈夫。誰もいない」

「そういう問題じゃっ…ふうっ…」



私の言葉が終わる前に龍也は再び唇を重ねた。

龍也は私のあごを掴んだままどんどん角度を変え

私の舌に自分の舌を絡ませてくる。

やばい私…こんなとこなのに

気持ちいいかも。

私はいつのまにか龍也とのキスに夢中になっていた。



「はぁっ…」



体からどんどん力が抜けていく

ガクン

私は膝から倒れていった。

それを龍也が受け止めてくれた。



「ごめん…」

「そんなに俺とのキスが良かったか?」

「なっ…もう」



私は思いっきり頬を膨らませた。

こんな場所でも本当に変態なんだから!





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