◇君恋◇
龍也はというと
そんな私の不安をよそに急に膝を触りだした。
「っ…ちょっ…」
私はなんだか変な気分になる。
嫌だ…こんなとこで
「どうした?膝触ってるだけだぞ?」
「触っ…んな…くて…ぃいっ」
龍也は簡単に言うけど
絶対にわざと言っている。
本当に本当に
変態!
そして
ドS!
私は心の中で思いっきり叫んでやった。
龍也も手を止め立ち上がる。
「どっか行くぞ」
「うん」
私は龍也の手を握り再び人ごみへと向かっていった。
それから時間は過ぎあっというまに7時過ぎ。
「最後はあれに乗ってから帰るか」
龍也が指差したのは大きな観覧車。
私も乗りたいと思っていたので
「うん!」
笑顔で返事をした。
その瞬間龍也がフッと笑ったことに
私は全く気づかなかった。