◇君恋◇



そして観覧車に乗る。

やがて上へと向かいそこから見る景色は本当に綺麗だった。



「本当に綺麗!ねっ龍也?」

「あぁ…そうだな」



本当に綺麗だと思っているのだろうか?

龍也はあまり外を見ていないし

反応も鈍い。



「それよりも…」



不意に龍也が私の腕を引っ張り

私は龍也の膝の上に乗る形になった。



「なっ何?!」

「お前の方が綺麗だ…」



龍也は私の耳元で囁く。

毎回のことながら私は真っ赤っか。

こんなシチュエーションなもんだから

いつも以上に真っ赤だった。



「ふふっ…こっち向けよ」



そう言うと龍也は私の顔だけ後ろに向けさせた。

私は恥ずかしすぎて龍也を直視できなかった。



「顔真っ赤(笑)…目見ろよ」



そう言われてなかなかできるものじゃないけど

龍也の言うことを聞かないと

なんだか後々大変そうだから

私は頑張って龍也の方に目を向けた。




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