◇君恋◇
帰宅
そのまま時は流れあっという間に龍也の家に着いた。
私たちは手を繋いだまま家の中に入る。
「風呂入るか?」
「龍也さき入って?」
疲れている龍也へのほんの少しの気づかい。
「悪いな。なんなら一緒入るか?」
「結構です!」
本当に毎回一言多いんだから。
これをみんなが知ったらいったいどうなるんだろ?
そう思った。
私は部屋に戻りとりあえずメイクを落として
お風呂の準備をした。
部屋の中にお風呂があるので龍也のシャワーの音が聞こえてくる。
私はなんとなくドキドキしていた。
「こんなことでドキドキするなんて…」
私は少しため息をつき
気分を紛らわすためにテレビを付けた。
今の時間は結構面白いテレビがあると思ったけど
どれもくだらないものばかり。
私はただ画面を眺めるだけだった。
ガチャッ
不意にお風呂場のドアが開いた。
私が後ろを振り返ると上半身裸の龍也が立っていた。
「ちょっ…服着てよ///」
私は両手で顔を覆いながら言った。
龍也は濡れた頭を拭きながら
「今さら…(笑)」
馬鹿にするようにそう言った。