◇君恋◇
「自分でやったんでしょ?」
「えっ…あっそうか…ならいいや」
「ちょっ?!」
そう言うと龍也は私を抱きしめて
そのまま眠ってしまった。
私はその腕から逃れることはできず
そのまま眠ることにした。
「…い…ろょ…」
いつもの声が聞こえてくる。
起きなくてはいけない。
だけどなかなか体は言うことをきかないんだ。
「ったく…」
その声と同時に温かくて柔らかいものが私の唇にあたる。
もしかして…
嫌もしかしなくてもこの感触は唇だ。
つまり私はキスされてる。
誰にって…相手は1人しかいない。
「…っふ…りゅ…ぅ…ゃ」
そう龍也だ。
あまり嬉しい起こしかたじゃないけど
私の頭はしっかり目を覚ました。
「やっと起きたか…」
「あはは…朝弱くて」
「いいけど…朝飯だぞ…」
そう言って龍也はベッドから離れ部屋を出る。
「はーい」
私は1人で返事をして髪を整えてから部屋を出た。