◇君恋◇
「いいんじゃないかシスコンぐらい?」
龍也は簡単に言うけどいいことなんてない。
実際に恥ずかしい思いを何回もしてるんだから。
「全然良くない…大学生になってまで。せっかく顔は良いのに彼女も作らないし…」
私ははぁ~とため息をつく。
「かっこいいんだ?まぁお前と血繋がってるならかっこいいんだろうな…お前の親も見てみたいよ」
不意に龍也が言った言葉。
龍也は意識したわけじゃないと思うけど
私はあることを思いついた。
「ねぇ龍也…私と一緒に家に来ない?」
このままお兄ちゃんと会ったら
もう二度と龍也に会えない気がしたし
龍也が一緒ならベタベタもしてこないだろうと思ったのだ。
「別にいいよ」
「じゃあご飯食べたら電話しとくね」
「ああ」
龍也も良いと言ったことだし私はご飯を食べ
家に電話することにした。