◇君恋◇
そして実家に向かう。
「はぁ~」
私は不安でしょうがなかった。
原因はお兄ちゃん。
電話したらお母さんが出て
聞くところによるとやっぱりお兄ちゃんは家にいるらしい。
やっぱり龍也を連れていかない方がいいのかな
とか考えてみたり…
「お前な自分の家に帰るのにため息つくやつがいるか?」
「ここにいます…」
軽い冗談。
でもやっぱりお兄ちゃんと会いたくないのは本当。
嫌いじゃないけどやっぱりシスコンは嫌だよ。
「別に俺は大丈夫だから」
そう言って龍也は私の頭をポンと叩いた。
「うん。ありがとう」
龍也も大丈夫だって言ってるんだし大丈夫だ。
私はそう思うことにした。
だけど…
「ただいま…」
「め~い~!」
「きゃー!」
私が家につくなりお兄ちゃんは私に抱きついてきた。
全く龍也の見てる前で恥ずかしい。