◇君恋◇
「め…ぃ…」
誰?
龍也なの…?
誰がいるかわからない暗闇の中から声が聞こえる。
「め…い…ご…めン…な」
「ご…め…ん」
その声はとても切なくてどんどんと遠ざかっていく。
なんで謝ってるの?
なんで?
待ってよ待って!!
『明!』
ビクッ
私はその声で目が覚める。
「夢…?」
「大丈夫か?」
「あ、うん」
私の目の前には龍也の顔があって
私は少し安心した。
さっきの夢は…
私が余計なこと考えるからだよね…
「本当に大丈夫か?」
「だっ大丈夫だよ!」
私は今できる最高の笑顔を作った。
龍也に気を使わせないために…
「そうか」
「うん」
龍也が私の髪に触れた。
「どうしたの?」
「嫌…別に」
「龍也?」
あきらかに様子が変な龍也。
私は心配になって顔を覗く。