◇君恋◇
「そうだ携帯…」
そう思ってズボンのポケットを探したけど
「ないな」
携帯を机の上に置いてきたことを思い出す。
本当に今日は最悪な日だ。
時間はどんどんたち周りも暗くなる。
そして寒さも増してきた。
「まだいるのかな?」
ふと綾女さんの顔を思い浮かべる。
いかにもお金持ちのお嬢様…
可愛いし守ってあげたくなるタイプ。
あぁ~私に勝ち目ないじゃん!
「もうどうすれば…」
本当にどうすれば…
公園の時計をみてみると時刻は8時過ぎ…
このままだと寒さで凍え死んでしまう。
「短い人生だったな…」
こんなところで死ぬのかと考えてると
なんだか急に悲しくなった。
「龍也」
来るわけないとわかっていても名前を呼んでしまう。
きっと今頃は綾女さんと部屋の中で…
「はぁ~」
私はバカバカしくなって何も考えないことにした。