◇君恋◇
私はベンチにうずくまり寒さに耐えた。
バンッ
ふと遠くから車のドアが閉まる音が。
タッタッタッタッ
その車から降りた人物だろうか?
誰かの足音が自分のほうへと近づいてくる。
何?
何なの?!
その迫ってくる足音に私は細かく震えた。
そして足音は私のすぐ近くでやんだ。
私は怖すぎて上を見れずずっと固まっていた。
『何してるんだ?』
?
ふと聞き覚えのある声。
私はゆっくり顔をあげるとそこには龍也の顔…
なんで?
なんで龍也がいるの?
「ほら行くぞ…」
龍也の手が私の腕を引っ張る。
『嫌!』
私は無意識のうちに龍也を拒んだ。
「あ、ごめん…」
「め…い?」
龍也が悲しそうな顔で私を見る。