◇君恋◇
そして車は龍也の家につき
私たちは車から降りた。
「明…」
やっと龍也がしゃべる。
私はこの時やっとしゃべってくれると思ったが
現実はそんな上手くはいかなかった。
「悪いが今日は違う部屋でいいか…?」
ズキッ
傷ついた心にとどめを刺されたような気がした…
嫌って言ってもダメなんでしょ?
なんで私を探したの?
違う部屋なら私いなくたって…
私は何も言わずにニコッと笑った。
しゃべったら涙があふれて止まらない気がしたし
それが今の私にできる精一杯のことだったから。
「悪いな…奥の部屋を使ってくれ」
私は首をたてに振り、奥の部屋へと向かった。
部屋を開けると龍也と同じになっている部屋…
私は目の前にあったベットにすぐ横になった。