◇君恋◇
「龍也くん?」
「なぁ…俺のこと嫌い?」
龍也くんは私に背を向けたまま聞いてくる。
その背中はとっても悲しそうで
私まで悲しくなった。
てか嫌いって何?
そんなの聞かないでよ。
好きだよ好き…
「答えないってことは嫌いなの?」
『嫌いじゃない!!』
「あはは…私何言っちゃってるんだろうね?
ごめん今の忘れて…」
嫌いじゃない=好き
私ったら何やってるんだろ?
「忘れない…」
「へ?」
「だから忘れない…」
そう言って龍也くんは私を抱きしめた。
あの時とは違う…
優しさがすごく溢れていた。
「龍也くん?」
「好き…」
「えっ///」
「だから好きなの!」
好き?
あの龍也くんが私を?
私はあまりの嬉しさに
涙が溢れて止まらなかった。