◇君恋◇



「そ・れ・と」



なぜか強い口調で言う龍也くん。

どうしたのだろう?



「何…?」



まさかまた変なこと考えてるんじゃ;



「変なことなんか考えてないよ…」



私の顔が強張る。



「図星か…」

「あはは…ところで何かあるの?」



私はただ笑うことしかできず話題をそらした。



「くんはいらない…」

「は?」

「だからくんはいらない!龍也って呼べ!」




『えぇ!!!!!』



「うるさい…別に呼び捨てくらいいいだろう?」



いやいやいや…

私には良くないから;

恥ずかしいし

無理だよ無理!!



「明…」



ちょっと近いよ近い!



龍也くんは私の名前を呼ぶと少しずつ顔を近づけてきた。



「呼ばないと…わかるよな?…まぁお前がそっちがいいなら俺はそれでもいいぞ?」



きょ脅迫?!

そっちでどっち?!



「わからないなら教えてやろーか?」



龍也くんはニヤリと笑って私を押し倒す。



『わ、わかりました―!!だから止めて?ねっお願い!』



私がそう言うと龍也くんは体を起こし私も解放された。






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