◇君恋◇
「あの龍也く…じゃなくて龍也?」
私から呼び捨てで名前を呼んだことに満足している様子
「何?」
少し嬉しそうに返事を返した。
「その頼みたいことが…」
「何だ?」
しかも素直に聞いてくれた。
私は少し安心してその頼みを話した。
「…というわけです」
「つまり、拓海とその夏美ってやつをくっつけろと…俺に」
さすが龍也くん
話しがわかります。
「いいかな?」
「もちろん」
龍也は笑顔で答える。
やっぱりこの人言い人…
「でも」
「何?」
「ただでやるわけにはいかないな?」
前言撤回
やっぱりこの人変態です。
だってあきらかにキスしようとしてるよね?
「ダメ!」
「何で?」
「ダメって言ったらダメなの!」
「俺がそれでやるとでも?」
龍也は私をギロッと睨む。
そんな顔もかっこいいけど…いやいやそれは関係ないだろ今!
「わ、わかった!夏美と拓海くんが上手くいったら…」
「いったら?」
「何でもする!何でも言うこと聞くから!しばらくはやめて…?」
私は龍也の様子を伺う。
うち大丈夫こんなこと言って?
あぁ~もうどうにでもなれ~!
私は考えることに疲れてまた龍也の顔を覗く。
「わかった。何でも言うこと聞くんだな?」
「うん…」
「その言葉忘れるなよ?」
チュッ
「っ///」
龍也くんは私の唇に触れるだけのキスをした。
「今はこれで許してやる」
そして部屋から出て行った。