◇君恋◇
「お待た…」
私は朝のようにまた足が止まった。
だって…
だってね?
龍也がかっこよすぎるんだもん!
龍也は細めのジーンズに
灰色のシャツとその上に黒のジャケットのようなものを着ていて
首にはおしゃれなネックレスがついていた。
「どうしたんだ?」
「な、なんでもない///」
自分でも顔が赤いのがわかる。
もう顔がいいって本当に罪。
「ほら、そんなこと突っ立ってないで行くぞ」
「うん!」
そしていつものベンツに乗り込み黒は出発した。
「ところでどこ行くの?」
デートとは聞いたけど
どこに行くのかは聞いていない。
龍也が連れていってくれる場所なんて全く想像できないし。
「まぁ買い物?お前のものも買わなくちゃいけないしな…」
私の何を買うのだというのだろう?
多分服とかなんだろうけど
今あるので十分。
「何買うの?それに私お金ないよ?」
そうそう…私お金なんて全く持ってない。
「服とかいろいろ…お金は心配するな」
車の窓の外を見ながら龍也は言った。