◇君恋◇



「お待た…」



私は朝のようにまた足が止まった。

だって…

だってね?

龍也がかっこよすぎるんだもん!



龍也は細めのジーンズに

灰色のシャツとその上に黒のジャケットのようなものを着ていて

首にはおしゃれなネックレスがついていた。



「どうしたんだ?」

「な、なんでもない///」



自分でも顔が赤いのがわかる。

もう顔がいいって本当に罪。



「ほら、そんなこと突っ立ってないで行くぞ」

「うん!」



そしていつものベンツに乗り込み黒は出発した。



「ところでどこ行くの?」



デートとは聞いたけど

どこに行くのかは聞いていない。

龍也が連れていってくれる場所なんて全く想像できないし。



「まぁ買い物?お前のものも買わなくちゃいけないしな…」



私の何を買うのだというのだろう?

多分服とかなんだろうけど

今あるので十分。



「何買うの?それに私お金ないよ?」



そうそう…私お金なんて全く持ってない。



「服とかいろいろ…お金は心配するな」



車の窓の外を見ながら龍也は言った。






< 91 / 131 >

この作品をシェア

pagetop