◇君恋◇
ようやく買い物が終わった。
時間はお昼を過ぎたころだろうか
さっきより日が出ている気がする。
「大丈夫か?」
龍也は私を心配してくれたみたいで
その優しさだけで十分元気になれた。
「大丈夫だよ」
「良かった。それよりどっか行きたいとこある?」
「遊園地に行きたい!」
私は即答した。
私はもし彼氏ができたら
一度は遊園地でデートしたいと思っていたんだ。
「遊園地…」
「ダメかな?」
私は背の高い龍也を上目遣いで見上げた。
「まぁいいだろう。その前に食事だ。何か食べたいのあるか?」
「冷たいもの食べたい。あのファミレス行かない?」
「ファミレス…」
龍也は私の指差した方を見て
少ししかめっ面になった。
私ったら、こんなお坊ちゃんにファミレスに行かない?だなんて
本当に馬鹿なんだから!
私は断るだろうと思い
どうしようか考えていた。