死にたがりな君と、恋をはじめる
「でも、家を出たことが学校で噂が広がって、陰口を叩かれたり、

クラスのリーダー的な女子に目をつけられたりしてね。まあ、他にも

色々あったけど……」



『そっか……』



幽霊はどんな心情でか、目を伏せた。






私はその仕草を見て、少し笑った。




「……そっかって何。あなたは?」


『え?』





首を傾げた幽霊をまっすぐに見つめる。




「あなたはどうして死んだの?」

『俺?』




きょとんとした顔をされて、でもすぐにフッといつもの余裕のある顔に変わる。




『クイズにしようか、俺はどうして死んだんだと思う?』


「んー……事故、とか」


『どうだろうね?』


「答えがないんじゃ、クイズじゃないでしょ」






呆れてしまって、さっきまで重い雰囲気が消える。




なんだか、うまくはぐらかされた気がするけど……いいか。






「あなたって、幽霊なのに幽霊って感じあんまりしないね」



そう呟くと、幽霊は唇に笑みを浮かべた。



< 13 / 136 >

この作品をシェア

pagetop