死にたがりな君と、恋をはじめる
初デート
『おーはよ。奈月』
「……おはよう、レイ」
昨日の朝と同様に、レイに起こされて、私は即座に返事を返した。
朝がとても弱いはずの私がすぐに返事ができたのは、……完徹をしたからだ。
眠気も感じず、ボーっとする私に、レイはぷっと吹き出した。
『あははっ、目充血してる、寝れなかったの?』
「誰のせいで……」
あはははっとさも楽しそうに笑うレイを、私は怨念のこもった視線で睨みつけた。
昨日の夜……。
レイにデートに誘われた私は、しばらく経って我に返った。
「デートって、私今から死ぬつもりなんだけど」
『いやいや、話聞いてた? もう一回いうよ?』
レイはやれやれと肩をすくめると、ゆっくりと説明してくれた。
『明日って土曜日だし、学校行かなくていいじゃん。だから、別に絶対今日死なないといけないわけじゃないでしょ』
「え、いや……確かに明日は土日で休日だけど……?」
混乱する頭を必死に動かして、レイの言葉を理解しようとする。
えっと、レイが言いたいのは、明日は休日だし、そんなに死に急ぐなって、こと……?
う、ん……確かに、学校は二日は休みだし、確かに考えてみれば、今すぐ死なないといけないってわけじゃ、ない、かも……?