イジメ返し―連鎖する復讐―

部活の引退まであと1か月。

クラスでもうまくやっているし、部活だってノエルたちに気を遣いながらだけどそれなりに楽しくやっている。

楽しい思い出を残して高校を卒業するのが今のあたしの一番の望みだ。

そのための犠牲はいとわない。

例え咲綾を傷付けることになったとしても構わない。

あたしはもう二度と傷付きたくないのだ。

あの苦しみも痛みも絶望も。地獄のような日々を味わったからこそあたしはうまく立ち回る術を得た。

咲綾だって高校を卒業すればあたしのようにうまく立ち回れるようになるだろう。

「むしろあたしに感謝するかもね」

ふんふんっと鼻歌を歌いながら夜道を歩く。

ポケットの中のスマホがブルブルと震えている。

「あっ、通知来てる」

あたしはスマホ画面を見つめて顔をほころばせた。

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