イジメ返し―連鎖する復讐―
「あっ、ああぁ……」

自分の口から洩れていることが信じられないほど低い声でうめく。

服の上からでも腹部から何かが飛び出しているのが分かる。

腸かそれとも……?

体中の血が傷口から流れ出しているのか、頭がぼんやりとして目の前がぐらりと揺れる。

吐気がこみ上げ意識が遠のく。

「瑠偉、愛してるよ」

耳元で囁かれたと同時に今度は首筋に痛みを覚えた。

刺されたと自覚した瞬間、あたしはおばあちゃんの隣に倒れ込んだ。
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