イジメ返し―連鎖する復讐―
「あっ……そんなことより祐ちゃんは部活どう?いいところまでいけるといいね」

祐ちゃんは小学校からミニバスチームに所属し、中高とバスケを続けている。

県内で一番頭の良い男子校に通い、文武両道を貫く祐ちゃんはすごい。

昔から誰に対しても物腰が柔らかくて優しく笑顔を絶やさない祐ちゃんはあたしの自慢の幼なじみだ。

「そう……だね。うん……」

「どうしたの?部活うまくいってないの?」

急に表情を曇らせてしまった祐ちゃんが心配になる。

「実はね、ノエルーー」

祐ちゃんが何かを言おうとした瞬間、

「……あれ?祐とノエルじゃん!!」

突然名前を呼ばれて声の方へ視線を向ける。

そこにいたのはニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべる菅田だった。

中学の時の同級生で、今は祐ちゃんと同じ高校のバスケ部に所属している。

菅田は勉強は人一倍できたけど、昔から口が悪くて乱暴でどうしようもない男だった。

「なんでアンタが……」

驚いたことに菅田は一人ではなかった。

隣には何故か咲綾が立っている。

あたしはぎろりと咲綾のことを睨み付けた。
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