イジメ返し―連鎖する復讐―
「祐ちゃん嫌がってんじゃん!こういう幼稚なことすんのやめたら!?」

菅田を睨み付ける。

中学時代はスクールカースト上位の男子に金魚のフンのようにつきまとってモブキャラに近いような奴だったのに、高校に入ってからつけあがってしまったようだ。

このまままた祐ちゃんに手を出すようなら中学時代の男の先輩に話して少し懲らしめてやろうか。

そうすれば……。

「幼稚なこと……?あははっ、すっごいブーメラン発言だね」

あたし達の会話をそばで聞いていた咲綾がケラケラと大声で笑いだす。

「アンタは関係ないでしょ!?黙ってろよ」

「関係あるよ?だってあたしはノエルたちに酷いイジメを受けていたから」

「……は?アンタ、何言ってんの?あたしはそんなことしてないから」

チラリと祐ちゃんに視線を向ける。

「ノエル、それ……本当なの?」

祐ちゃんは困惑したような表情であたしを見つめていた。

「違う!!全部デタラメ!!あたしがそんなことするわけないでしょ!?」

内心焦っていたもののまだ言い逃れるとたかをくくっていた。

確かにあたしは咲綾をイジメていたけどその証拠は何もない。

一刻も早く咲綾と菅田から離れよう。

そうすれば――。

「これ見ても、同じこと言える?」

冷めきった声のあと、咲綾は手元のスマホをあたし達に掲げた。
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