イジメ返し―連鎖する復讐―
「みんな~!!少し休憩しよう!暑いからアイスの差し入れだよ!!」
しばらくするとデブセンが両手にアイスの入った袋を持って体育館に入ってきた。
デブセンの声でプレーが止まり、デブセンの元へ部員たちが駆け寄る。
「わー、先生ありがとう!!めっちゃ嬉しい!!」
「最高!!」
大喜びの部員たちを押しのけるように前に出ると、あたしはデブセンの持っていた袋をひったくった。
「こういうの勝手にやるのやめてもらえます?」
「え?」
「素人で指導が出来ないからって物で釣って好感度あげようとしてますよね?」
「違う!そんなつもりじゃない!ただ、みんな最近オーバーワークで疲れてるから……。確かに大会は近いけど、体を壊したら元も子もないじゃない」
「先生が甘やかすからみんなつけあがるんです。あとで食べるんで職員室の冷蔵庫に入れておきます。それでいいよね!?」
周りの部員に尋ねると、全員顔を強張らせて俯き反論する人間はいなかった。
「……分かったわ……」
肩を落とすデブセンを無視してあたしは袋を忍に押しつけた。
「これ、職員室へ運んで。ダッシュね」
「え……」
「サボりたいみたいだから、サボらせてあげようと思って。あたし、優しいでしょ?」
忍に背中を向けてコートへ戻る。
「何ボーっとしてんの!?はい!練習するよ!!」
ああ、気持ちいい。三年が一人って最高。
あたしは心の中で鼻歌を歌った。
しばらくするとデブセンが両手にアイスの入った袋を持って体育館に入ってきた。
デブセンの声でプレーが止まり、デブセンの元へ部員たちが駆け寄る。
「わー、先生ありがとう!!めっちゃ嬉しい!!」
「最高!!」
大喜びの部員たちを押しのけるように前に出ると、あたしはデブセンの持っていた袋をひったくった。
「こういうの勝手にやるのやめてもらえます?」
「え?」
「素人で指導が出来ないからって物で釣って好感度あげようとしてますよね?」
「違う!そんなつもりじゃない!ただ、みんな最近オーバーワークで疲れてるから……。確かに大会は近いけど、体を壊したら元も子もないじゃない」
「先生が甘やかすからみんなつけあがるんです。あとで食べるんで職員室の冷蔵庫に入れておきます。それでいいよね!?」
周りの部員に尋ねると、全員顔を強張らせて俯き反論する人間はいなかった。
「……分かったわ……」
肩を落とすデブセンを無視してあたしは袋を忍に押しつけた。
「これ、職員室へ運んで。ダッシュね」
「え……」
「サボりたいみたいだから、サボらせてあげようと思って。あたし、優しいでしょ?」
忍に背中を向けてコートへ戻る。
「何ボーっとしてんの!?はい!練習するよ!!」
ああ、気持ちいい。三年が一人って最高。
あたしは心の中で鼻歌を歌った。