イジメ返し―連鎖する復讐―
「遅い――!!……あれっ、エマ?」

そこにいたのは私服姿のエマだった。

今日はいつにもまして美しい。

「おはようございます、咲綾先輩」

「もしかしてあたしの応援に来てくれたの?でも、ちょっと今それどころじゃなくて……部員がまだ来てないんだよね。時間間違ったのかな……。ホントどうしようもない子達なんだけど」

もしくは場所を間違っている可能性がある。

エマとしゃべっている時間はない。

「ふふっ、残念ですけど他の部員は来ませんよ」

「……は?」

信じられないぐらいマヌケが声が口から零れ落ちた。

「何言ってるの?そんなわけな―ー」

「咲綾先輩はブラックな部活を作り上げてしまいましたね」

「ブラック……?違う、あたしはただ必死に練習してただけ――」

「周りの人間の話に耳を傾けることなく、わざと相手を傷付けようとした。咲綾先輩はノエル先輩たちと同じです。同じ穴のムジナ。エマの言葉の意味、わかりますか?」

「なにいって……」

「これは因果応報です。人を傷付けた人間は罰を受けなければなりません」

「ちょっと待ってよ……!エマはあたしの味方でしょ!?」

「味方……?」

エマは一瞬考えたように見えた。

でもすぐに笑顔で首を横に振った。

「エマは咲綾先輩の味方ではありません」
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