イジメ返し―連鎖する復讐―
エマの不敵な笑みに顔が強張る。

そのとき、ポケットの中のスマホが音を立てて鳴りだした。

画面には忍の名前が表示されている。

「やっぱり……みんなは絶対に来るんだから」

自分に言い聞かせるように呟くと、叩くようにスマホ画面をタップして耳に当てる。

「忍!?今どこ!?今何時だと思ってるのよ!」

『家です』

「はっ!?寝坊したわけ!?」

『違います。あたし達、1年と2年は咲綾先輩が引退するまで部活にでません』

「なっ……自分が何言ってんのか分かってる!?」

『これは、部員全員の総意です。あたし達は咲綾先輩についていけません』

忍の強い口調にワナワナと唇が震える。

「そんなのを決める権利はアンタ達にはないの……!いいから今すぐ来なさい!!」

『嫌です。バスケはチームプレーですよね?咲綾先輩がそんなんじゃいいプレーができるわけないじゃないですか』

バカにしたように言う忍は『あと』と付け加えた。
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