イジメ返し―連鎖する復讐―
「そんな風に思ってたのは砂羽だけでしょ!?みんなの代表みたいな言い方やめてよ!」

あたしは砂羽をキッと睨み付けた。

「3年も経つのに全然変わんないね。間違いを指摘されても絶対に認めないし、折れない。一言でも謝ってくれたら許そうと思ったけどやっぱりやめた」

「なっ、偉そうなこと言わないでよ……!」

「じゃあ聞くけどさ、中学卒業後にバスケ部の子から連絡きた?」

「それは……」

確かに一度も連絡が来ていない。何度かメッセージを入れてみたものの誰一人として既読が付かなかった。

「それが答え。咲綾以外の子たちとは今も仲良くしてるしさ。……ていうか、他の部員は?」

あたしの周りを見回して砂羽は首を傾げた。そして、すべてを悟ったように苦笑いを浮かべた。

「今度は誰もアンタについてきてくれなかったんだね。ご愁傷様」

砂羽は「いこっ」と友達に声をかけ歩き出す。

どんどん小さくなっていく背中に「待って!!言い逃げなんてズルい!!」と叫ぶ。

でも、砂羽は振り返ることなくどんどん遠くへ行ってしまう。
< 245 / 252 >

この作品をシェア

pagetop