イジメ返し―連鎖する復讐―
その日から毎日、あたしはいつも以上にバスケの練習に打ち込んだ。
誰よりも早く登校して自主的に朝練をして、授業が終わると同時に教室を飛び出して体育館の準備をする。
部室に飛びこんで急いで着替えて体育館に行き、練習に参加する。
練習が終われば誰よりも遅くまで自主練をしてくたくたになりながら帰宅する。
毎日のルーティーンを欠かさず行い、桜南高校との練習試合に備えた。
3年のみんなとギクシャクしてしまった関係はまだ改善できていない。
休憩中に声をかけても、誰もあたしの声に反応してくれないどころか露骨に背中を向けたりする。
特にノエルが酷かった。
あたしの横を通り過ぎるとき、露骨に舌打ちをしたり睨み付けてきたりする。
全身からあたしを拒絶しているオーラを出し、寄せ付けようとしない。
最近では困ったことに練習時にパスも回してくれなくなってしまった。
何とか練習試合までに関係を修復しようと思いノエルに声をかけた。
「ノエル、ごめん。あたし、色々ノエルに……」
「うっさい。話しかけんな」
何度謝ってもノエルは聞く耳を持たなかった。