イジメ返し―連鎖する復讐―

そして、ついに練習試合を二日後に控えた今日レギュラーの発表が行われようとしていた。

順番に名前を呼ばれていくメンバー。

「ノエル、海荷、美香、真子」

残り一人。ドクンドクンッと心臓が音を立てて震える。

次はあたしだ。

咲綾。あたしの名前が呼ばれる。絶対に……ーー。

「それから、瑠偉。当日はこのメンバーでいく」

……え？今、なんて言ったの？

全身から血の気が引いていく。

その瞬間、体育館に後輩たちの響き渡るぐらいの歓声が響いた。

「瑠偉先輩頑張って！！」

「また瑠偉先輩のすごいプレーが見られるんだね」

「やっぱ瑠偉先輩がいなくちゃ！」

後輩たちにおだてられた瑠偉は「ふふっ」とやわかい笑みを浮かべる。

そんな瑠偉を取り囲み「絶対勝とうね！！」と騒ぎ立てるレギュラーの３年。

あたしはその場で身動き一つとれずその様子を眺めていることしかできない。

なに、これ……？どういうこと……？

どうして瑠偉なの？どうしてあたしじゃないの？